2010/02/09(Tue)
さて、もう少し分析事項は続きます。
○業界特有のスキルを重視しているか
これは一概に言うことはできません。
例えば小売業だったら居抜出店などの出店方法やFC展開が挙げられると思います。
やはりこの辺をうまく活用していける企業は成長していけるのでしょうから、出店費用などには十分注意したいところです。
加えてFC展開を行っている場合はどのような基準でFCと直営を区別しているのかも調べたりします。
一方製造業系は何と言っても研究開発です。ボクの好みは研究開発型企業ですので、ここは結構力を入れます(あ、記事ではなく分析にです(笑))。
と言ってもボクは理系ではありませんし、材料とか成分とかについてはわかりません(^^;)。
調べるのは過去10年くらいの研究開発費の推移(売上高に占める割合や開発費の伸び(比率、絶対額など))やその費用の内訳(成長分野に費用を十分投じているか)、研究開発の伸びと利益の伸びとの比較などです。
製造業は研究開発をしていかなければ競争に勝ち残るのはなかなか難しいでしょうから、基本的にどんな時でも開発費をしっかり計上している企業に投資します。
もちろんその分野での利益がその後にしっかりと上がっていることが前提です。
それに、研究開発費って収益の足を引っ張ってミスプライシングの原因になりやすいのでその点でもありがたいんですよね。
もっとも、IFRSが導入されたら一部資産計上が認められますのでどうあるかわかりませんが・・・。
では続いての事項へ。
○営業に力を入れているか
いくら良い商品を作っていても、売れなければどうしようもありません。競争相手が存在しない分野などありませんし、他社を出し抜いて成長するためには「買ってもらうための対策」がどうしても必要です。
これについては前項と同様に分野によって事項が異なると思います。
小売業などのB to Cの企業だったら広告宣伝費や割引キャンペーンなどについて調べますし、B to Bだったら営業所が全国に配置されているか(進行中含む)を調べます。
取引社数を公表している企業だったらその推移も重要視します。
ただ、営業力は調べるべきものがほとんど見当たりませんのでできることはこれくらいしかありません。
あとは前記事で書いた従業員の事項からと併せて推測するくらいです。
ここについては改善の余地があるような気がしますのでもっと良い方法を模索中、と言ったところですね。
というわけで今日はこれくらいにします。ここまで来ると事項は残り少ないのでもう少し、お付き合いいただければ幸いです。
2010/02/08(Mon)
今回は従業員についてです。
○従業員が満足に働けるような職場であるか
もちろん経営陣も大切ですが、従業員もまた大切です。
実際に企業を動かしているのは彼らだといっても過言ではありませんし、企業は雇用の受け皿としての役割もあると思っているので、その責務をしっかりと果たしているような企業でなければ投資したいとは思いません。
彼らに尊厳を与え、彼らが力を十二分に発揮できる環境を整えるのも企業の大切な仕事だと考えています。
そのことについて見る一つ目は従業員数の変遷。
リストラによって収益体質を改善する、というのも一理あるのでしょうが、上に書いたように企業は雇用の受け皿としての役割も求められますし、従業員が安心して働ける環境を作るためには極力大規模なリストラなどはしないのがその一歩だと考えています。
ですので、従業員は横ばいか、増えていっているのが望ましいです。
続いては平均給与。
もちろん給与額だけで決まるとは思っていませんが、給与は生活を支える大切な資金です。
やはり同業他社と比べて明らかに低ければモチベーションが下がったり、転職してしまう可能性も出てきてしまうので少なくとも平均以上が良いのですが、次の事項の結果によってはここはあまり考慮しません。
それは、平均勤続年数です。
良い職場とは少しでも長く働いていたいと思わせてくれるような職場ですので、同業他社と比べた勤続年数は非常に大事にしています。
多少給与が低くても、ここが他社より長ければそこの職場には何かそれとは別に魅力的なものがあると考えて差し支えないでしょうし、長く勤める環境があれば訓練経費も節約できます。
加えて優秀な人材を企業の内部においておけるというメリットもありますし、従業員についての事項では最も大事にしています。
ここが明らかに平均より短ければほぼ100%投資しません。せめて平均より少し上、出来れば完全に上の企業を探しています。
少し前にも書きましたが、やはり「企業は人」だと思っていますし、人を大事にしない企業に長期的な成長は望めないと思っていますので、少々暑苦しくはありますがこの辺も大事にしています。
従業員についてはこんなところです。分析事項は、もう少し続きます。
2010/02/07(Sun)
今回は従業員について書くつもりだったのですが、一回遅らせます。
と言うのも、今回書いているシリーズに関して「経営陣については具体例が少ないのでいまいち説得力に欠ける」というご指摘をいただいたからです。
「突っ込まれるかな〜、いやでも大丈夫かな〜」と思っていたらやはり来てしまいました・・・至極ごもっともな指摘です(笑)。
最初は自分の保有企業を例に出して書こうかなーと思っていたのですが・・・あまり自分の保有企業について書くのが好きではないので、やめたのです。
自分の腕を隠したいとか、同じの買われたくないとか、そういうわけではないのですけど・・・まあたぶん性に合わないのでしょう。他の方の見るのは好きなんですけどね・・・なんて自分勝手な輩(笑)。
と言ってもボクの保有企業6つのうち3つはいつも拝見しているブロガーの方々が保有していますので・・・はは(^^;)。
まあそれはさておき、確かに具体例がないのはさびしいですので、経営陣について具体例を一つ出してみます(保有しているかどうかは別です)。
ボクは経営陣に関してはpaperboy&coが結構優秀だと思っています。
柳井氏率いるユニクロとか、永守氏率いる日本電産とかを書こうかと思ったのですが、それじゃあなと思って比較的若い企業から例を出してみることにしました。
ちなみにマニーも候補に挙がりましたが、マニーはテレビ(カンブリアでしたっけ?)にも出たようなのでもう満足でしょう(笑)。
さて、paperboy&coの経営陣が優れていると考えているのがどのような点かと言えば以前の記事に書いてきたことの繰り返しになりますが、
・ 自社の強み(価格競争力)を生かした戦略を取っている(積極的な値引きキャンペーンなど)
・ 顧客の利便性の向上に余念が無い(スペックの向上など)
・ ネットサービス関連の話題のキャッチが早く、それをもとに魅力的な成長ストーリーを複数思い描いている
・ 成長に資金が必要ない分、増配という形での株主還元への意識が高い
・ ゆるい雰囲気(笑)
と言ったところでしょうか。余談ですがこの企業、サービス内容(デザインも含む)を見ていると、企業理念の「もっとおもしろくできる」が会社全体に浸透しているのだなあと思いますね。
ちょっと話がずれてしまいましたが、この企業の経営陣が特に素晴らしい点はやはり3つめの事項、成長ストーリーの模索だと思います。
既存のストックビジネスに以前のような大きな成長が見込めなくなってきた、というのがあるのだとは思いますが、それにしても第二、第三の成長ストーリーへの意識の高さは相当なものです。しかも多少なりとも話題になってきているものは確実に捕らえる周到さ。
ストーリー候補は結構な数が存在していますので、おそらく一般社員からの意見もしっかりと取り上げているのでしょうね。さすがに経営陣だけでこれすべて思いつくのは難しい気がしますから。
もちろんそれが本当に魅力的かを精査する必要はあります(ぐるなびや楽天などのライバルがいますしね・・・本のレビューはamazonとかかな・・・)が、こうした意識の高さは投資家を安心させてくれるものがありますし、長期保有させてくれる姿勢を持っていますね。
またまた余談ですが、インデックス投資家のみなさんも同社のHPや決算説明会資料を眺めてみることをオススメします。ゆるさにやられちゃいますよ(笑)。
というわけで、ちょっと具体例も出してみたところで、明日から再び本論に戻ります。明日は従業員についてです。
2010/02/06(Sat)
経営陣の評価の続きです。
○業績予想は適度に保守的か
内部・外部環境を適切に把握し、企業の将来を見て取るのも経営陣の大切な役割です。そして株主は企業のリスクテイカーとなっているわけですから、その将来情報は適切なものを与えられるべきです。
その点では、業績予想を一つの目安にしています。基本的にはちょっと保守的な企業が好きです。
いつも強気で大風呂敷を広げるけど予想を全然達成できていなかったり、下方修正を繰り返す企業は投資したくありません。
逆に保守的過ぎてあっというまに通期予想が達成されてしまうような企業もあまり投資しようとは思いません。
我々投資家が求めているのは企業の足元の実際の姿ですので、やはりちょうど達成できるか少し上回る、くらいの予想を続ける企業が望ましいです。
○トラブルがあったとき、適切に対処しているか
企業は人間が経営しているわけですから、どうやっても何らかのトラブルは出てきてしまいます。こんなときは経営陣がどう行動するかは大きなポイントです。
きちんと認めるべきところを認め、謝罪し、迅速かつ適切な対処をとる。そしてそれをHPにしっかりと残しておく、くらいのことはしてほしいものです。
企業の成長に信頼は欠かせませんから、ステークホルダーに対する真摯な姿勢は不可欠だと思います。
○その経営陣は株主に報いようとしているか
株主は企業の所有権を有しているわけで、経営陣はその所有者にリスクテイクに対するリターンを与えようとする姿勢がなければ優れた企業とは言えないと思います。
たとえば自社株買いは増配などがその典型例でしょう。ただし、これらの事項は手持ちの資金とビジネスモデルなどを勘案して行われているかに注意しています。
成長に資金がある程度必要な企業だったら自社株買いをするよりはそれを再投資に回してくれたほうがよっぽど長期的にはありがたいですし、そうでなければ増配や自社株買いを行ったほうが良いと考えられます。
ですのでこの点についてはケースバイケース。
もう一つ大事にしていること、それは下方修正の発表。上記に書いたように経営陣は適切な業績予想を立てるべきですが、人間ですし、経済は激しく動きますので下方修正があってもある程度は仕方がありません。
しかし、その時期は重要だと思います。明らかに予想に届きそうに無いのにレポートには「予定通り」と書いていたり、発表を先延ばしにしている企業は真摯な姿勢で株主に臨んでいるとは到底思えません。
それをわかった時点でしっかりと明らかにし、プランを練り直すのが経営陣のあるべき姿だと思っていますので、これも大事にしています。
あとはやはりストック・オプション。これの割合が大きい企業は株主を大切にしているとはお世辞にも言えませんのでやはり投資する気にはなれません。
株主に誠実な企業に投資したいですからね。
経営陣についてはこんなところです。次回は従業員についてです。長くてすみません・・・(笑)
2010/02/05(Fri)
さて、今回は経営陣の評価です。
バフェットとリンチは「誰でも経営できる企業」を好みますが、それは経営者が無能でもいい、とイコールではありません。
バフェットがコカ・コーラに投資したのも名経営者ライヒアートの存在が大きかったようですし、やはり経営陣の評価は大切にしています。
ではいきます。
○その経営陣は企業の成長ストーリーを複数思い描いているか
やはり長期での成長ストーリーを追うとなると、ストーリーは一つでは足りないことが多いと思います。
もちろん、一つの長い長いストーリーがあればそれに越したことはありませんが(むしろその場合はこの事項をチェックしません。)、市場はいずれ飽和に向かってしまう可能性が高いため、そのときに第二のエンジンとなるべきサブストーリーを備えているかどうかは企業の将来にとって大事なことです。
ですから、「第一のストーリーを展開させながら、第二、第三のストーリーも少しずつ展開させている企業」が投資するにふさわしいと思っています。
もちろん第二、第三のストーリーも企業の成長にとって妥当なものでなければならないのは言うまでもありません。
この辺の事項は中期経営計画で確認することが多いですね。
ボクは中期経営計画の評価を非常に大事にしています。企業の進むべき道や目標を通じて経営陣の力が推し量れる部分があるからです。
○役員の構成は適当か
企業の内部の社員評価は大切だと思っていますし、現場で見るべきところと経営で見るべき部分は異なるところは多いでしょうが、その両方を知る人材の登用は企業が高成長を遂げていく上で必須であると思いますので、役員の経歴は必ずチェックしています。
同業他社と比べると大まかに出世のペースがわかりますので、それと比較したりしています。
やはり現場からじっくりと上がってきた人が何人かしっかりいると評価が高いです。外からの目、という意味で外部取締役がいるのも良いと思います。
逆に創業者の一族が他の人に比べて明らかにトントン拍子で出世していたりすると、「はじめからレールが引かれていたのかな」という気がして(実際そうなんでしょうけど)ちょっと評価が落ちます。やはり評価されるべき人が評価されて然るべきですからね。
ただ、それでも他の点でそのマイナス点を大きく改善させるくらい優秀だと感じたり、他の取締役がじっくり経験を積んできた人たちで構成されているようであればそこまで問題にはしないことにしています。
月並みな言葉ではありますが、企業は人だと思っていますので、人に対する評価も大事にしたいところです。
さて、経営陣の評価、まだ続きます。